【岩政大樹オン・ザ・ピッチ】「威圧感」に「覚悟」で立ち向かった埼スタ
情報元 : 【岩政大樹オン・ザ・ピッチ】「威圧感」に「覚悟」で立ち向かった埼スタ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170721-00000353-sph-socc

 浦和レッズで活躍された鈴木啓太さんの引退試合(17日・埼玉)に出場させていただきました。キャリアの中で思い出深い試合を挙げろと言われたら、アウェーでは真っ先に埼玉スタジアムでの試合を思い出します。その日もプレーしていると所々であの頃の匂いがしてきて、久々の埼玉スタジアムに圧倒されながらも、僕の心は懐かしさで嬉しくなりました。
 スタジアムには固有の空気があります。埼玉スタジアムはロッカールームからピッチに続く階段が高く、飛び出した瞬間、別世界に降り立ったような錯覚を覚えます。同時に怒号のような声が全身にぶつかってきて、ピッチが声で包まれているような感覚を覚えます。私は埼玉スタジアムでプレーするのがいつも楽しみで、怖くて。そんな中で自分を奮い立たせていました。
 闘莉王選手がオーバーラップを仕掛けてきたらスタジアム全体が押し寄せてくるようでした。ワシントン選手やポンテ選手がゴール前でボールを持ったらスタジアム全体が2秒後に飛び上がる準備を始めているように静まりました。鈴木啓太選手がボールを奪いに走り出したら、スタジアム全体がボールに襲いかかってくるように感じたものです。埼玉スタジアム全体が浦和レッズというチームと呼応して1つの試合を創り、彩っていました。「威圧感」という言葉がぴったりの雰囲気でした。
 それに対する私は「覚悟」で立ち向かいました。“普通”では勝てないといつも感じていました。だから、スタンドのほんの一角で声を枯らして共に戦ってくれた鹿島サポーターの皆さんと同じ気持ちで、巨大な敵を前に、少しでも自分を大きくしようと努力しました。
 個性と個性。意地と意地。私たちは何度もぶつけ合いました。「私たち」とは決して11対11の戦いではなく、サッカーとは「サポーターと共に戦い、共に歩む」もの。これこそがサッカーを愛した者がサッカーを愛する理由で、きれいごとではないリアルなのです。(東京ユナイテッド、元日本代表DF)